『分数コードに法則や規則はあるんですか?』と言う質問を受けました。
ざっくりと、「オン・ベース」と「アッパーストラクチャートライアド」の2種類かと思います。
コード進行上では「オン・ベース」の方が断然多いので、「オン・ベース」の話をします。
転回形のとしての分数コード
転回形の場合は、コード内の音をベースに持ってくるだけです。
通常はルート音をベースが弾くと言うルールになってますが、前後のコードによってルートではない方がメロディーとベースラインとの関係性が良い時などに使います。
【例1】
[key of C]
C G Am C
のコード進行の場合、
C G/B Am C/G
とする事によって、ベースラインが「ド シ ラ ソ」と順次進行となり、メロディアスなベースラインとなります。
【例2】
[Key of C]
F G7 E7 Am
の場合、
F G7 E7/G# Am
とする事によって、ベースラインが「ファ ソ ソ# ラ」と、パッシングラインになります。
と言うふうに、転回形でベースラインを変える場合に分数コードを用います。
また、メロディーラインとベースラインの禁則進行を回避するためにも変形させたりします。
わかりやすくする為の分数コード
【例1】
F/G
のコード
これを分数ではないコードで表記すると、「G79sus4(omit5)」となってしまい、パッと見、とても見にくくなってしまいます。
楽譜は“わかりやすさ”と言う事が重要ですので、「んーー?」となってしまわないような配慮が大事です。
ペダルポイントでの分数コード
ペダルポイントを使う際は、上記の両方を念頭に置いておきましょう。
【例1】
[Key of C]
C Cm D7/C Db/C C
のコード進行。
スタンダードジャズナンバーの「On Green Dolphin street」やジャクソン5の「Never Can Say Goodbye」なんかにも使われているこのコード進行です。
【例2】
[Key of Gm]
Am-5/D D7 Gm/D
のコード進行。
Autumn LeavesのBメロ部分の変形です。
ソロ回しの中盤とかでベースラインをペダルポイントにすると盛り上がり感が増します。
と言うふうに、ベースラインと言うのは、メロディーとの兼ね合いや、雰囲気を支配したりするので、上手に分数コードを使うことによって音楽を演出する事ができます。
ですので、楽譜上で学ぶだけではなく、鍵盤で分数コードを押さえてみて、その場所場所の分数コードはどうしてそうなっているのかを耳で確かめましょう。
そうする事によって、おいしく分数コードが使えるようになります。